Bonus 01給料明細を、もう一度
第10話で給料明細を開いたしゃけ。「社会保険料、けっこう引かれてるな……」と気付いた。でも、その中身が "何のための保険" なのかは、まだ霧の中。
ある日、新人の同僚にお金の話をされた。「社保って、結局なにに使われてるんですか?」その質問に、しゃけは答えられなかった。
ある日、新人の同僚にお金の話をされた。「社保って、結局なにに使われてるんですか?」その質問に、しゃけは答えられなかった。
しゃけ
わかめ、ちょっと改めて教えてほしいんだ。
毎月、給料明細の「社会保険料」の欄、合計で 4万円超え 引かれてる。
これって、結局なににどう使われてる の?知らないままだと、もやもや……。
毎月、給料明細の「社会保険料」の欄、合計で 4万円超え 引かれてる。
これって、結局なににどう使われてる の?知らないままだと、もやもや……。
わかめ
ふふ、いい質問!実は社会保険料って 5つの保険のセット販売なんだ。
1つずつ "何を守ってくれるか" を見ると、もやもやが "おどろき" に変わるよ。
今日はそれを順番に解読しよう。
1つずつ "何を守ってくれるか" を見ると、もやもやが "おどろき" に変わるよ。
今日はそれを順番に解読しよう。
会社員の給料から引かれる "社会保険料" は、ひとつの保険じゃありません。
健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険(40歳〜)・労災保険(全額会社負担) という5つの異なる保険の合算です。
それぞれが何を守るか分けて見ると、"15%引かれる" の意味がガラッと変わります。
健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険(40歳〜)・労災保険(全額会社負担) という5つの異なる保険の合算です。
それぞれが何を守るか分けて見ると、"15%引かれる" の意味がガラッと変わります。
Bonus 025つの保険、それぞれが守るもの
わかめ
まずは5種類、ぜんぶ並べてみるね。
各料率は 「協会けんぽ・東京都・40歳未満」 をベースにした参考値。地域や健保組合で多少違うよ。
各料率は 「協会けんぽ・東京都・40歳未満」 をベースにした参考値。地域や健保組合で多少違うよ。
- 🏥健康保険本人負担 約4.92%
医療費3割+高額療養費 - 👴厚生年金本人負担 9.15%
終身年金+遺族+障害 - 💼雇用保険本人負担 約0.6%
失業手当+育休給付 - 🦽介護保険
(40歳〜)本人負担 約0.8%
介護サービス費 - 🛠️労災保険本人負担 0円
業務上ケガ・通勤災害 - 📊合計月収の
約15%(40未満は約14.7%)
しゃけ
うわ……ぜんぶ書き出すと、けっこう "守られてる" 感じがする……!
1つずつ、もうちょっと詳しく聞きたい!
1つずつ、もうちょっと詳しく聞きたい!
わかめ
① 健康保険: 病気・ケガで医療費の 自己負担3割。
さらに "高額療養費制度"。年収500万なら、月の医療費が100万円かかっても、自己負担は 約9万円が上限。残りは健保が肩代わり。これだけでも、強烈に手厚い。
さらに "高額療養費制度"。年収500万なら、月の医療費が100万円かかっても、自己負担は 約9万円が上限。残りは健保が肩代わり。これだけでも、強烈に手厚い。
わかめ
② 厚生年金: いちばん大きな天引き。
65歳から "終身で" 年金が出る。平均寿命まで受け取ると、1人2,000〜3,000万円もらえる計算になるんだ。
さらに遺族年金 (亡くなったら家族へ)、障害年金 (障害状態に) もここから出る。
65歳から "終身で" 年金が出る。平均寿命まで受け取ると、1人2,000〜3,000万円もらえる計算になるんだ。
さらに遺族年金 (亡くなったら家族へ)、障害年金 (障害状態に) もここから出る。
わかめ
③ 雇用保険: 失業時に "基本手当(失業給付)"。直近賃金の 50〜80% が一定期間。
さらに 育休給付金(育休中の手取りの 50〜67%) もここから出るんだ。育休を取るとき、本気でありがたみが分かるよ。
さらに 育休給付金(育休中の手取りの 50〜67%) もここから出るんだ。育休を取るとき、本気でありがたみが分かるよ。
わかめ
④ 介護保険: 40歳から加わる。
将来、自分が介護サービスを受けるとき、自己負担 1〜3割 で済む。
家族の介護にも影響する大きな備えだよ。
将来、自分が介護サービスを受けるとき、自己負担 1〜3割 で済む。
家族の介護にも影響する大きな備えだよ。
わかめ
⑤ 労災保険: 会社が全額負担。
業務上のケガや、通勤途中の事故にも対応してくれる。治療費は 100%カバーされて、休業中の補償も出る。
「自分の給料からは1円も引かれてない」のに守ってくれる、いちばん優しい保険なんだよ。
業務上のケガや、通勤途中の事故にも対応してくれる。治療費は 100%カバーされて、休業中の補償も出る。
「自分の給料からは1円も引かれてない」のに守ってくれる、いちばん優しい保険なんだよ。
しゃけ
こうやって整理すると……月4万円って "高い" とも言えるけど、"安い" とも言える……。
自分でぜんぶ民間保険で揃えたら、もっと高くなるんだろうな……。
自分でぜんぶ民間保険で揃えたら、もっと高くなるんだろうな……。
社会保険料を "消えるお金" と捉えると、毎月の天引きが憂鬱になります。
でも "5つの保険を月4万円で買っている" と捉え直すと、市場価格で見ればはるかに安い、コスパ最強の保険セットなのです。
個人事業主は国民健康保険+国民年金で、これらの一部しか得られず、給付水準も会社員より低い——これが会社員の "見えない優遇" です。
でも "5つの保険を月4万円で買っている" と捉え直すと、市場価格で見ればはるかに安い、コスパ最強の保険セットなのです。
個人事業主は国民健康保険+国民年金で、これらの一部しか得られず、給付水準も会社員より低い——これが会社員の "見えない優遇" です。
Bonus 03標準報酬月額の "謎ルール"
わかめ
最後にひとつだけ、ぜったい知っておいてほしいルールがある。
第9話でちらっと触れた、「標準報酬月額」 のしくみ。これがね、年間の社保額を大きく左右するんだ。
第9話でちらっと触れた、「標準報酬月額」 のしくみ。これがね、年間の社保額を大きく左右するんだ。
- 📅対象月4月・5月・6月の
支給額(残業含む)平均 - 📊等級50等級に区分
等級ごとに保険料 - ⏰適用期間9月〜翌年8月の
12か月固定
しゃけ
えーと、ということは……4-6月の給料 (残業代込み) で、翌年8月まで1年間の社保が決まるってこと?
わかめ
そう、その通り!
たとえば月収30万円の人が、4月だけ大残業して44万円になったとする。すると標準報酬月額が 30万→32万 のランクに1つ上がる。
結果、9月以降12か月間の社保が、毎月 約3,000円高くなる。年で 3.6万円 の差。
たとえば月収30万円の人が、4月だけ大残業して44万円になったとする。すると標準報酬月額が 30万→32万 のランクに1つ上がる。
結果、9月以降12か月間の社保が、毎月 約3,000円高くなる。年で 3.6万円 の差。
しゃけ
えっ、4月の残業1か月の影響が、1年間続くの!?
知らずに頑張ると、損するパターンあるね……。
知らずに頑張ると、損するパターンあるね……。
わかめ
そう、これが「節保(節社保)」のいちばんシンプルな知恵なんだ。
もちろん業務上必要な残業はやっていい。でも "4-6月だけは、できるだけランクを上げない" という戦略があるって知っていると、年に数万円の差になる。
"知っていれば防げる損" ってやつだね。
もちろん業務上必要な残業はやっていい。でも "4-6月だけは、できるだけランクを上げない" という戦略があるって知っていると、年に数万円の差になる。
"知っていれば防げる損" ってやつだね。
しゃけ
こういうの、学校で教えてほしかったなぁ……!
大人になってからのお金の知識って、ぜんぶ "知ってる人だけが得をする" 世界なんだね。
大人になってからのお金の知識って、ぜんぶ "知ってる人だけが得をする" 世界なんだね。
わかめ
うん、だから未来デザイン教室があるんだよ。
"知ること" は、いちばん早くて、いちばんリスクの少ない節約。
そして、その知識を "自分の数字" で確かめるシミュレーターも、忘れずに使ってね。
"知ること" は、いちばん早くて、いちばんリスクの少ない節約。
そして、その知識を "自分の数字" で確かめるシミュレーターも、忘れずに使ってね。
知る → 自分の数字で計算 → 行動 の流れで。
- 給与明細の "健康保険" 欄を確認。実額から逆算すれば自分の等級が分かる
- 社会保険料シミュレーターで、"残業時間別の標準報酬月額" を試算する
- 3月までに "4-6月の働き方" をざっくり計画する (業務に支障が出ない範囲で)
今日のまとめ
- 社会保険料は 5つの保険のセット販売 (健保・厚年・雇保・介護・労災)
- 合計は月収の 約15% (40歳未満は約14.7%)
- "払う" ではなく "5つの保険を買って守られている" と捉え直す
- 標準報酬月額は 4-6月の支給額平均 で決まり、9月から1年間固定
- 4-6月の残業は、年間 数千〜数万円 の社保差になることも
あなたの社保、年間どれくらい?
月収・残業時間・年齢を入れるだけで、
社会保険料シミュレーターが あなたの保険料と標準報酬ランク を試算します。
"知ると防げる損" が、可視化されます。